介護食士は、内閣総理大臣認定の公益社団法人全国調理職業訓練協会が、 介護に携わる方たちの調理技術を向上させる目的で設けた認定資格制度です。
要介護者にとって介護食は、生きていくためになくてはならないものです。 従って、介護食に関する知識は、ホームヘルパーや栄養士、調理師、介護福祉士など、 介護関係の仕事に携わる方に人気があり、年間約3500人もの有資格者を輩出しています。
介護食士は要介護者向けの食事が提供できる専門知識を学んだ人に与えられる資格で、 資格には1級から3級まであります。
現在、全国の協会会員校において、介護食士の資格取得希望者のための介護食士講座が開講されています。
特に3級の講座は、介護食の基礎知識を取得できるため、介護食に興味のある方など、一般の方も数多く受講しています。
青森県では、介護食士講座を開講しているのは本学のみで、県内外の広い地域から受講いただいております。 また、青森県の高齢者割合は全国平均を上回っており、今後ますます介護食に関する知識・資格はニーズが高まってくると予想されます。
本学では、介護食士講座の中に、地域の現状に寄り添った内容を盛り込むことで、広く一般の方にもより身近に介護食を学んでいただけるように努めております。
介護食士1級 | 協会が指定した認定施設において、介護食士2級資格を取得した後、2年以上、介護食調理の実務に従事し、25歳以上の者 |
介護食士2級 | 協会が指定した認定施設において、介護食士3級を資格を取得した者 |
介護食士3級 | 受講資格不要(どなたでも受講できます) |
「確実に、丁寧に」学びながら、介護食のエキスパートを養成することを目指しています。3級はどなたでも受講できますので、初心者の方にも安心して学んでいただけます。
本学では協会指定の教科書のほかに、独自のテキストや資料を加えて、よりわかりやすく楽しい講座になるように工夫しています。
授業カリキュラムは毎回、講義と調理実習がありますので、理論と実技を並行して学ぶことができ、職場や家庭ですぐに実践することができます。
学科では介護食に関することだけではなく、医学的な基礎知識や心理学・調理理論・栄養学・食品学といった、介護に関連する内容を総合的に学習します。
調理実習では毎回、食事形態やテーマに合わせた献立を調理しますので、様々な介護食の作り方のコツを習得することができます。 切り方や調理方法を工夫し、どなたでも美味しく召し上がれるようにしています。
高齢者の身体的機能の特徴や栄養素の知識、食品や調理する際の衛生の知識などの講義の他、おいしく、食べやすく、飲み込みやすい「介護食」の技術を学びます。 講習会修了後に修了試験を受験して合格するとことで資格を取得することができます。
・講習内容
学科(25時間) 介護食士概論、医学的基礎知識、高齢者の心理、栄養学、食品学、食品衛生学
実習(47時間) 調理理論・調理実習Ⅰ、調理理論・調理実習Ⅱ
医学的基礎知識、高齢者の心理、食材の衛生管理などの講義の他、おいしく食べやすい「介護食」の普通食からの展開方法や生活習慣病予防食を学びます。
講習会修了後に修了試験を受験して合格するとことで資格を取得することができます。
・講習内容
学科(16時間) 医学的基礎知識、高齢者の心理、栄養学、食品学、食品衛生学
実習(56時間) 調理理論、調理実習
栄養状態の判定や、低栄養を考慮した献立作成、食品と薬の関係などの講義の他、様々な方(身体機能や疾病)を想定した献立を作成して調理する技術を実習します。
講習会修了後に修了試験を受験して合格するとことで資格を取得することができます。
・講習内容
学科(32時間) 医学的基礎知識、高齢者にかかわる制度、栄養学、食品学、食品衛生学
実習(40時間) 調理理論、調理実習
開講期間 | 5月~11月の隔週土曜日(全13回) ※年度により、開講する級は異なります |
開講時間 | 9:00~15:10 (1・2・3級共通) |
総講義時間数 | 72時間(1・2・3級共通) |
会場 | 弘前医療福祉大学短期大学部 |
定員 | 20人(1・2・3級共通) 最小開講人数に達しない場合は開講を見送ります。(詳しくは募集要項をご覧ください) |
令和5年度は3級を開講します。
調理師の免許が無くてもどなたでも基礎から学べます
4月7日からお申込みいただけます。
お申込みいただいた方には、5月8日頃に講座の開催状況についてお知らせします。
食事形態やテーマに合わせた介護食を調理します。 切り方や調理方法を工夫し、どなたでも美味しく召し上がれるようにしています。
【普通食・日本料理】
【普通食・西洋料理】
【普通食・中国料理】
【行事食】
【軟食】
【軟食】
【ソフト食】
【ソフト食】
【肥満予防食】
【骨粗鬆症予防食】
【貧血予防食】
【五段階調理食】
食べる方の状態に合わせて硬さなどをステージ1~5の5段階に調整します。
肉じゃが
➡
きんぴらごぼう
➡
りんごのやわらかコンポート
【調理実習】
【修了試験】学科・実技
I.Tさん(20代女性・施設調理師)
学生の頃は勉強するのが嫌いでしたが、仕事をするようになってから、 あの時もっと真面目に勉強しておけばよかったと思うことが多くなりました。
その時知ったのが『介護食士』の講座でした。仕事を辞めずに勉強しながら資 格も取得できるのが嬉しいです。
青森市から弘前市まで通うのは少し大変ですが、2週間に一度の楽しみになっています。
今は2級の講座ですが、ゆくゆくは1級を目指したいと思っています
K.Eさん(60代女性・パートタイマー)
食事がいかに大切かと思いました。 普通に食事をしていても年齢と共にそれができなくなってしまうということはとても悲しいことです。
美味しく楽しく食事をしてもらいたい。『介護食士』の受講では調理実習でいろいろ教えていただきました。 ただ軟らかいだけではなく、食感を大切にしたり、出汁をうまく使ったりと、家でも十分活用できると思いました。
また、身体の仕組みなどの受講では年輩の方へのフォローにも大変勉強になりました。
ただ食するだけの食事ではなく、楽しく美味しいひと時を、一口でも笑顔で食べてもらえるよう常に勉強したいです。
H.Yさん(30代女性・施設栄養士)
平成29年に『介護食士』3級を受講してみてとても勉強になりました。ここでは食べやすく、 調理に手間ひまかけて丁寧に仕上げるということ、食べる人のことまで考えて作るということを思い出させてくれました。
運よく平成30年度に『介護食士』2級を受講できることになり、3級で学んだことを忘れないまま、 更にレベルアップした勉強をすることができてとても嬉しく思っています。
2級では栄養価計算もあったりと、何年かぶりにやり方を思い出すことができてとても良い機会でした。
ここで学んだことを仕事で活かして、食べる人の立場に立って、食べやすく安全で美味しいものを作っていけたらと思います。
K.Tさん(60代女性)
私は介護福祉施設で働いているわけではありませんが、以前勤めていた所でひと月程老人ホームの厨房でお手伝いしたことがありました。
そこでは約半数の方が“きざみ食”や“とろみ食”でしたが、食べ残しをされる方も少なからずいらっしゃいました。
『介護食士』の講座を3級・2級と受講して毎回調理実習をしてみますと、栄養があり見た目も良く、もちろん味が良い献立がたくさんあることに気付きます。 試食のたびに施設の方にはこういう食事を食べていただきたいと思ってしまいます。
“きざみ食”や“とろみ食”だけではない、食材の形を残して美味しくいただける食事は身体のためだけではなく、精神的な生きる力につながると思います。
O.Sさん(30代女性・会社員)
受講するきっかけは、高齢者の食事はこういうものだという概念を変えるためでした。 施設等で提供される食事の内容が適正であるのか疑問を持ったからでした。
食べられなければ刻んだり、ミキサーに変更すればいいという考えや、 食べやすさよりも見た目を考慮した切り方だったり、とりあえず小さく切れば大丈夫という 不明確なハウスルールが多く見受けられますが、『介護食士』の3級・2級を受講したことにより、 高齢者が食べやすい大きさや切り方、調理法を学ぶことができました。
食事は目でも楽しむものなので、見た目が良く、食べると軟らかいのはとても理想的だと思います。 機会があれば1級に挑戦したいと思います。
K.Nさん(40代女性・生活支援員)
私が『介護食士』の講座を知ったのは新聞記事でした。 仕事ではどちらかというと調理の方ではなく、介助する方ですが基本に帰ることができとても勉強になりました。
“きざみ食”・“ミキサー食”の利用者さんがいますが、「どちらも介護食ではないですよ」という講義が印象に残りました。
“ソフト食”が一番勉強になり、利用者のご家族にもアドバイスできたらいいなあと思いました。
『介護食士』という資格は新しい資格なのかしら?と思い質問してみると「10年以上前からありますよ」との回答… もっと周知されればいいのにと願います。
最後に、指導してくれた先生方、一緒のグループだった皆さんありがとうございました。
O.Tさん(50代女性・介護職員)
私は介護職員として働いております。グループホーム勤務の時は利用者の方々に 教えていただきながらいろいろな料理や味付けについて学びました。 てんぷら一つにしても、各家庭の味や切り方があり、「さつま芋は皮つきで厚く」とか、 「細かくしてかき揚げのように」など様々でした。
普段はあまり会話されずにそばに居られることのない方でも、たった一つの食材については こんなにお話しが好きな方なのかと思う程、皆様昔のことや嫁に来てからのことで会話されていました。
食べることは人生の中心にあり、ご主人やお子様、 大家族の中では決して欠くことのできない大切な日常生活の時間帯だったのでしょう。
介護職はお一人お一人の生活のお手伝いをさせていただいている職種です。
健康であることは食事が身体を支えていることに始まります。
『介護食士』という講座で改めて健康の大切さと、そのためには何をするのかを学ばせていただいたと感謝しております。
K.Hさん(60代女性)
『介護食士』という資格があることを知ったのは平成29年4月のことでした。
3月に退職し、その後は父の介護をしようと思っていたのですが1月に他界。心に穴が空いた状態のとき目にしたのが新聞の 「介護食士養成講座受講者募集」の記事でした。
3年間の介護生活を振り返り、食事のことで一番心残りだったのが、 大好きな餅を食べさせてやれなかったことでした。少し飲み込みが悪くなった父にとって好物が命取りになる。 私たちにできることは家族全員もその餅を食べないことでした。
そんな経験があり4月からの時間は父からのプレゼントだと思い、 介護食について学ぶことで有効に使おうと受講しました。
私は介護職従事者ではないので資格で仕事をすることはありませんが、 周りの方々で要介護者や介護者になった時、その方々の一助になれるようになりたいと思います。
Question | Answer |
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介護食士は国家試験ですか? | 国家試験ではありませんが、内閣総理大臣認定の公益社団法人全国調理食業訓練協会が認定している資格で、この資格事業は公益事業として認定されています。 |
介護食士の種類を教えてください。 | 1級、2級、3級があります。 資格取得のための講習会を、本学で行っています。 3級は受講資格が不要ですので、どなたでも受講できます。 2級、1級は受講資格が必要です。 講習会の受講資格、内容等については、それぞれの項目をご覧下さい。 |
講習会が修了した後に試験はありますか? | 筆記および実技の修了認定試験があります。 ただし、この修了認定試験を受けるためには、講習会で80%以上の出席率が必要となります。 筆記および実技の修了認定試験は、どちらも60点以上で合格です。 |
Question | Answer |
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どこで受講できるのですか? | 公益社団法人全国調理職業訓練協会に認定された全国の養成施設で受講できますが、青森県では本学のみの開講となっています。 |
講習会を受講するためには資格が必要ですか? | 3級は受講資格が必要ありませんので、どなたでも受講できます。 2級と1級は、受講資格が必要です。 詳しくは講習会受講資格の項目をご覧下さい。 |
講習会のスケジュール(日程)を教えてください。 | 5月~11月の隔週土曜日、全13回で開講し、9:00~15:10に講座が行われています。 介護食士の種類(1級、2級、3級)により開講する年度が異なりますので、詳しくは本学へお問い合わせください。 |
カリキュラムについて教えてください。 | 介護食に関することだけではなく、医学的な基礎知識や心理学・調理理論・栄養学・食品学といった、介護に関連する内容を総合的に学習します。 介護食士の種類(1級、2級、3級)によって異なりますので、詳しくは受講内容の項目をご覧ください。 |
費用はいくらくらいですか? | 介護食士の種類(1級、2級、3級)によって異なりますが、概ね73,000円~80,000円程度です。 また、受講料には実習材料費が含まれますが、このほかにテキスト代や資格認定手数料等が必要となります。 詳しくは、本学へお問い合わせください。 |
問合せ先 | 〒036-8102 弘前市小比内3丁目18-1 学校法人 弘前城東学園 弘前医療福祉大学短期大学部 別科 調理師養成・1年課程 介護食士講座係 (TEL) 0172-27-1001 (Mail) メールでのお問い合わせは下記のお問い合わせボタンより |